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変態パーティへ行こう!!
12月10日13時4分配信 オーマイニュース



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SPA!　などで活躍されている黄金咲ちひろさんも常連のひとりだ

　変態の人たちのために、1992年以来、毎月1回開催されているイベントがある。その名前は何度も変更されていて、会場も渋谷、六本木、新宿、青山、麻布十番といった都内各所を流転。多いときは1000名以上、少なくても300名以上が集まるビッグパーティだ。そのなかで「SALON KITTYFIRE 2099」という名前と、会場を渋谷J-POP cafeとする最終回に行ってきた。

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　誤解される方も多いかもしれないが、「変態」は性犯罪とはまったく関係がない。さまざまなアイテムや衣裳やそれで着飾る行為に、興奮する人たちのことである。

　例えば全身タイツを着ることが大好きな人、ラバー素材の衣裳が好きな人、ロープで縛ったり、縛られたりするのが好きな人もいるし、ドラッグ・クイーンと呼ばれるド派手な女装が好きな男性もいる。怪獣の着ぐるみを着るのが大好きな人もいれば、身体の一部に異物を入れた人体改造愛好者もいる。

　そういう趣味がない人にはまったく理解できないだろうが、現実にこれらのことが大好きな少数派はいて、その趣味を楽しむ場所がこのイベントなのである。さまざまな趣味を受け入れる懐の広さというか、少数派の変態が集まって共生しているという点では、奇跡的に尊い空間なのである。

　歴史、会場の規模、動員数など、あらゆる面で今回お邪魔したイベントは日本最大だった。

　そもそも「全身タイツだけ」「SMだけ」といった専門イベントは多いが、あらゆるジャンルの人たちを受け入れるイベントは少ない。主催しているのはイラストレーターのゴッホ今泉さん。イベント告知用のフライヤーには、彼からのメッセージが記されている。


　「このイベントは、クラブやディスコティックではありません。コミュニケーションを目的としたサロンであり、お酒や踊りが苦手な人のための開かれたパーティです。キッチュでキャンプでヒップでパンクでモンドな方、皆様を驚愕せしめる装いの方を大歓迎します」と。

　ひと言でこのイベントのすばらしさを表現することはできないが、さまざまな趣味を持つ男女が、老若を問わずコミュニケーションしているのがすごい。いや、コミュニケーションしなくてもいい。友人同士で参加する人よりも1人で参加する人のほうが多いようだし、人と話すことが苦手な人も少なくないように見える。そんな人たちでもさまざまなショーを見たり、物販ブースを見てまわるだけでも飽きることがない。例えばあるブースでは、ひたすらガンプラ（ガンダムのプラモデル）を作っているのだが、そういうフェチの人もいるのである。

　このようなイベントで、私がなにをしたかというと、オーマイニュースの1周年記念誌を手に「市民記者になってください」とお願いしにいったのだ。また、このイベントの名物ショーのひとつである、告知コーナーの舞台に立たせていただき、11月27日の朝日新聞のコピー（オーマイニュースが低調で存続が危いと書いてある）を持って「こんなことが書かれているんですよぉ～」と、訴えてみた。

　軽妙なしゃべりでこの場を仕切る、司会のドラッグ・クイーン、マーガレットさんは、

　「私もなんどかオーマイニュースを見たことがあるけど、ホントに記事のレベルが低いの。本来、文字を使って他人に読んでもらう行為は、貴族にしか許されていなかったのに、愚民たちがよってたかって記事を書いているのよ。ひどいでしょ～（観客大爆笑）。……だから、アンタがどんな訴えたってオーマイニュースはツブれるわよ、ぜったい!!」と、しかられた。

　もちろん、これはマーガレットさん流の温かい励ましである。だが、このマーガレットさんの言葉とそれに反応する観客の変態たちは、このイベントのおもしろいところを教えてくれた。ここに参加している変態たちの多くは、選民意識を持っているのだ。常識という大多数を背景にした暴力的言動をする愚かな人たち（Foolish Majority）を「愚民」と呼んで笑いを取り、少数派に誇りを持つ意識を共有しているのである。

　ちょっとおおげさだが、私は、社会主義なんていう非現実では無理があり、われわれが正しいと教育された民主主義ではありえない、少数派が虐げられない平和で幸せな次世代を作る革命は、案外こういった変態の人がきっかけになるのかも知れないと感じた。

　長くなってしまったが、次回のこのイベントは、その名を以前に使っていた「DEPARTMENT-H 2099」と改め、新年1月12日（土）の深夜0時～（正確には明けて13日0時だが公式発表の表記はこれ）に、JR鶯谷駅徒歩1分、東京キネマ倶楽部で開催される。

■ DEPARTMENT-H 2099
2008年1月12日（土）　深夜0時～
会場：東京キネマ倶楽部　東京都台東区根岸1-1-14 6F
料金：一般 4000円（1ドリンク付）、フライヤー持参者　3500円、フェティッシュな衣裳の人 3000円
（IDチェックがあり、20歳未満の人は入れません）

（記者：北澤 強機）

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最終更新:12月10日13時11分

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